ガミースマイル

笑顔に自信を取り戻す

笑顔に自信を取り戻す

ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が過度に見える状態のことで、医学的には「上顎前突」や「歯肉露出過多」とも呼ばれます。

一般的に、笑ったときに見える歯茎が3mm以上になるとガミースマイルと判断されることが多く、歯茎が目立つことで笑顔にコンプレックスを持つ方も少なくありません。人前で笑うことをためらったり、写真を撮るときに口元を隠したりしてしまい、日常生活に影響が出ることもあります。

ガミースマイル自体は病気ではありませんが、見た目の改善を希望される方には、歯科での治療によって笑ったときの歯茎の見え方を減らすことが可能です。

ガミースマイルの原因

ガミースマイルの原因は一つではなく、複数の要因が組み合わさって起こることが多いため、適切な治療を行うためには原因をしっかり見極める必要があります。

骨格的な問題

上顎の骨が前方に出ている、または上顎の骨が縦に長い場合、歯茎が目立ちやすくなります。骨格的な問題が原因の場合は、矯正治療や外科的な処置が必要になることがあります。日本人を含むアジア系の人種では、この骨格的な要因によるガミースマイルが比較的多いとされています。

骨格的な問題

歯茎の問題

歯茎が歯を覆いすぎていて、歯の見える部分が短い場合があります。歯は正常な長さがあるのに歯茎に覆われているため、笑ったときに歯茎ばかりが目立ってしまうのです。この場合は、余分な歯茎を切除する歯肉整形によって改善することができます。

歯茎の問題

上唇の動きの問題

上唇を引き上げる筋肉の力が強すぎる場合、笑ったときに上唇が過度に持ち上がってしまい、歯茎が多く見えることがあります。唇の筋肉の動きが原因の場合は、ボツリヌストキシン注射によって筋肉の動きを抑制する治療が効果的です。

上唇の動きの問題

歯の位置の問題

歯が本来あるべき位置よりも下に生えている、または前に出ている場合、笑ったときに歯茎が目立ちやすくなります。このような場合は、矯正治療によって歯の位置を調整することで改善できることがあります。

ガミースマイルの原因

ガミースマイルの治療方法

ガミースマイルの治療方法

ガミースマイルの治療は、原因に応じて適切な方法を選択することが重要です。場合によっては複数の治療法を組み合わせることで、より効果的に改善できることもあります。

  1. 歯肉整形 余分な歯茎を切除して、歯の見える部分を長くする治療です。局所麻酔をした後、レーザーやメスを使って歯茎を整えていきます。歯茎が歯を覆いすぎていることが原因のガミースマイルに適していて、比較的短時間で効果が得られる方法です。
    処置時間は本数にもよりますが30分〜1時間程度で、術後の腫れや痛みも軽度であることが多く、多くの方が翌日から通常の生活に戻ることができます。ただし歯茎が治るまでの1〜2週間は、刺激物を避けたり、丁寧な口腔ケアを心がけたりする必要があります。
  2. ボツリヌストキシン注射 上唇を引き上げる筋肉にボツリヌストキシンを注射することで、筋肉の動きを一時的に抑制する治療です。笑ったときに上唇が過度に上がることを防ぎ、歯茎の見える量を減らすことができます。注射だけで済むため体への負担が少なく、ダウンタイムもほとんどありません。
    効果は注射後2〜3日で現れ始め、3〜6ヶ月程度持続します。効果は永久的ではないため、定期的に注射を繰り返す必要がありますが、まずは試してみたいという方や、外科的な処置に抵抗がある方に適した方法といえます。
  3. 矯正治療 歯の位置や角度が原因でガミースマイルになっている場合、矯正治療によって歯を適切な位置に動かすことで改善できることがあります。特に前歯が前方に出ている場合や、歯が下方に位置している場合には、矯正治療が効果的です。
    矯正治療には1年半〜3年程度の時間がかかりますが、歯並びや噛み合わせも同時に改善できるという利点があります。また根本的な原因にアプローチできるため、後戻りの心配が少ないという特徴もあります。
  4. 歯肉整形と歯冠長延長術の
    組み合わせ
    歯茎を切除するだけでなく、歯を支える骨も少し削って歯の見える部分を長くするという方法です。
    単純な歯肉整形よりも効果が大きく、より理想的なバランスに仕上げることができます。ただし骨を削る処置を伴うため、歯肉整形のみの場合よりも術後の腫れや痛みが出やすく、治癒期間も長くなります。
  5. 外科的矯正治療 骨格的な問題が大きい場合、上顎の骨を切って位置を調整する外科手術が必要になることがあります。
    全身麻酔での手術となり入院も必要ですが、重度のガミースマイルでは最も確実な治療法です。骨格から改善するため、顔貌全体のバランスも良くなることが多く、噛み合わせの問題も同時に解決できます。

治療のメリットとデメリット

治療のメリットとデメリット

メリット

ガミースマイルを改善することで、笑顔に自信が持てるようになり、人前で自然に笑えるようになります。コンプレックスから解放されることで、社交的になったり、写真撮影を楽しめるようになったりと、精神面でのメリットも大きいです。

治療方法によっては、歯並びや噛み合わせも同時に改善できるため、見た目だけでなく機能面でも良い結果が得られることがあります。

デメリット

治療方法によっては費用が高額になることがあり、特に矯正治療や外科的矯正治療は数十万円から百万円以上かかることもあります。また治療期間が長くなる方法もあるため、時間的な余裕も必要です。

ボツリヌストキシン注射は効果が一時的なため、定期的に繰り返す必要があり、長期的には費用がかさむ可能性があります。外科的な処置を伴う治療では、術後の腫れや痛み、ダウンタイムがあることも理解しておく必要があります。

治療の流れ

治療の流れ
  1. カウンセリングと検査 まずは笑ったときの状態を確認し、ガミースマイルの原因を診断します。レントゲン撮影や顔貌の写真撮影、歯型採取などを行い、どの治療法が最適かを判断します。治療方法、期間、費用について詳しくご説明しますので、不安なことは何でもお聞きください。
  2. 治療計画の立案 検査結果をもとに、具体的な治療計画を立てます。複数の治療法を組み合わせる場合は、どのような順序で進めていくかも決定します。患者様のご希望や生活スタイルに合わせて、最適なプランをご提案します。
  3. 治療開始 選択した治療法に応じて、処置を開始します。歯肉整形であれば1回の処置で完了しますが、矯正治療の場合は数年にわたる通院が必要になります。
  4. 経過観察とメンテナンス 治療後は定期的に経過を観察し、後戻りがないか、問題が起きていないかを確認します。ボツリヌストキシン注射の場合は、効果が薄れてきたら再度注射を行います。

よくある質問

ガミースマイルの治療は保険が適用されますか?
A.基本的に審美目的の治療は自費診療となります。
ただし骨格的な問題が大きく、顎変形症と診断された場合は、外科的矯正治療について保険が適用されることがあります。保険適用の可否については、診断時に詳しくご説明します。
どの治療方法が自分に合っているのかわかりません
A.原因によって適した治療法が異なりますので、まずは検査を受けて原因を特定することが大切です。
歯茎が原因であれば歯肉整形、上唇の動きが原因であればボツリヌストキシン注射、歯の位置が原因であれば矯正治療というように、原因に応じた治療をご提案します。複数の治療法を組み合わせることもありますので、カウンセリングでしっかり相談しましょう。
治療後に後戻りすることはありますか?
A.治療方法によって異なります。
歯肉整形は後戻りしにくい治療ですが、ボツリヌストキシン注射は効果が一時的で3〜6ヶ月で効果が薄れてきます。矯正治療の場合は、治療後にリテーナーをしっかり装着していれば後戻りのリスクは低いです。外科的矯正治療は骨格から改善するため、最も後戻りしにくい方法といえます。
治療は痛いですか?
A.歯肉整形やボツリヌストキシン注射は局所麻酔を使用しますので、処置中の痛みはほとんどありません。
歯肉整形の場合は術後数日間、軽い痛みや違和感が出ることがありますが、処方された痛み止めで対応できます。矯正治療では歯が動く時の違和感がありますが、我慢できないほどの痛みではありません。
ガミースマイルを治療すると、笑顔が不自然になりませんか?
A.適切な治療を行えば、自然で美しい笑顔になります。
歯茎がまったく見えなくなるのではなく、自然な範囲(2mm以下)に収まるように調整しますので、不自然な印象にはなりません。治療前のシミュレーションで仕上がりのイメージを確認できることもありますので、安心して治療を受けていただけます。