美容歯科

美容歯科で実現できる、
お口周りの美しさ

美容歯科で実現できる、お口周りの美しさ

美容歯科は、歯や口腔内の病気を治療する一般歯科とは異なり、お口周りの見た目の美しさを追求する診療分野です。一般歯科では虫歯や歯周病といった疾病の治療が中心となり、審美歯科では見た目と機能性の両立を目指しますが、美容歯科ではさらに踏み込んで「より美しく見せること」に特化した施術を行います。

具体的には、ほうれい線が目立つ、二重顎が気になる、口角が下がって見えるといった、お口周りの美容上の悩みに対応します。これらは病気ではありませんが、見た目のコンプレックスとして心理的な負担となることがあります。美容歯科では注射による施術を中心に、こうした悩みを改善していきます。

歯科医師は、歯だけでなく歯茎、舌、頬、口腔粘膜、顎関節、唾液腺など、お口周り全体の専門知識を持っています。そのため、お口周りの筋肉や脂肪組織に対する施術も、歯科医療の領域として適切に行うことができます。

ボトックス注射
(ボツリヌストキシン注射)
による筋肉へのアプローチ

ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)による筋肉へのアプローチ

ボツリヌストキシン注射の仕組み

ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)は、ボツリヌス菌から抽出した毒素を医療用に精製した薬剤を使用します。ボツリヌス菌と聞くと食中毒を連想するかもしれませんが、医療用のボツリヌストキシンは人体に影響のない極めて低い濃度に調整されているため、安全に使用できます。

ボツリヌストキシン注射を筋肉に注入すると、その部位の筋肉における神経伝達物質の放出が抑制されます。神経伝達物質とは、神経から筋肉へ「収縮しなさい」という信号を伝える化学物質です。この信号の伝達が一時的にブロックされることで、筋肉の過剰な収縮が抑えられ、結果として様々な効果が得られます。

美容歯科における活用法

お口周りでは、表情筋の過度な動きがシワの原因となることがあります。例えば、眉間や額に力を入れる癖がある場合、その部分の皮膚に深いシワが刻まれていきます。ボツリヌストキシン注射によって筋肉の動きを適度に抑えることで、シワの形成を防ぎ、既にあるシワを目立たなくする効果が期待できます。

また、顎関節症による痛みや、歯ぎしり・食いしばりの症状にも応用されます。これらの症状は咀嚼筋と呼ばれる筋肉群の過剰な緊張が原因となることが多く、ボツリヌストキシン注射で筋肉の緊張を和らげることで症状の改善が見込めます。

さらに、エラの張りが気になる場合にも効果的です。咬筋という筋肉が発達しすぎると顔が四角く見えることがありますが、ボツリヌストキシン注射でこの筋肉の働きを抑えることで、フェイスラインをすっきりと見せることができます。

効果は注射後2〜3日から徐々に現れ始め、2週間程度で安定します。持続期間は個人差がありますが、一般的に3〜6ヶ月程度です。効果が薄れてきたら、再度施術を受けることで効果を維持できます。

脂肪溶解注射による輪郭改善

脂肪溶解注射による輪郭改善

脂肪溶解注射の作用メカニズム

脂肪溶解注射は、脂肪細胞を分解する成分を含む薬剤を、気になる部位に直接注入する施術です。注入された薬剤は脂肪細胞の細胞膜に作用し、脂肪細胞を破壊します。破壊された脂肪細胞の内容物は、体内の代謝システムによって徐々に分解・排出されていきます。

従来の美容医療では、二の腕や腹部、太ももなど体の様々な部位に脂肪溶解注射が使用されてきました。美容歯科では、この技術をお口周り、特に顎下部やオトガイ(顎の先端部分)に適用します。

二重顎の改善効果

二重顎は、顎の下に脂肪が蓄積することで生じる美容上の悩みです。この部位の脂肪は、ダイエットや運動だけでは減らしにくい特徴があります。脂肪溶解注射を顎下部に施すことで、蓄積した脂肪を効率的に減少させ、すっきりとしたフェイスラインを作ることができます。

施術後は、注入した薬剤が徐々に脂肪細胞を分解していくため、効果は数週間〜数ヶ月かけてゆっくりと現れます。急激な変化ではなく自然な変化が得られるため、周囲の人に気づかれにくいという利点もあります。

一度破壊された脂肪細胞は再生しないため、適切な生活習慣を維持すれば、効果は長期間持続します。ただし、残っている脂肪細胞が肥大化する可能性はあるため、暴飲暴食を避けるなど、日常生活での注意も大切です。

施術前に理解しておくべき
リスクと副作用

施術前に理解しておくべきリスクと副作用

ボツリヌストキシン注射のリスク

  1. 注射した部位に一時的な腫れや内出血が生じることがあるこれらの症状は通常、2週間以内に自然に改善していきます。針を刺すという行為そのものによる反応であり、ほとんどの場合は心配ありません。
  2. まれにアレルギー反応が起こる可能性がある過去にボツリヌストキシン注射で異常な反応が出た経験がある方や、薬剤に対するアレルギーが心配な方は、必ず事前に歯科医師に相談してください。
  3. 注入する量や位置が適切でない場合、表情が不自然になったり、意図しない筋肉の動きが制限されたりすることがある経験豊富な歯科医師による施術を受けることで、こうしたリスクを最小限に抑えることができます。

脂肪溶解注射のリスク

  1. 注射部位の腫れや内出血、肌の色の変化が生じることがあるこれらも多くの場合、2週間程度で改善します。脂肪細胞が分解される過程で、一時的に注射部位が固くなることもありますが、これも徐々に柔らかくなっていきます。
  2. ごくまれにアレルギー反応が起こる可能性があるアレルギー体質の方は事前に申告することが重要です。

施術後に違和感や気になる症状が続く場合は、速やかに施術を受けた歯科医院に連絡してください。早期に対応することで、多くの問題は解決できます。

美容歯科の費用と
保険適用について

美容歯科の費用と保険適用について

美容歯科の施術は、病気の治療ではなく美容目的の処置となるため、公的医療保険の適用対象外です。そのため、施術にかかる費用はすべて自己負担となります。

費用は施術の種類や使用する薬剤の量、施術範囲などによって異なります。カウンセリングの際に、具体的な費用についても詳しく説明を受けることができます。自分の希望や予算に合わせて、最適な施術計画を立てることが大切です。

保険適用外の自由診療であっても、医療行為であることに変わりはありません。信頼できる歯科医院を選び、十分な説明を受けた上で施術を受けるようにしましょう。

よくある質問

ボツリヌストキシン注射は痛いですか?
A.注射をする際にチクッとした痛みを感じることはありますが、多くの方が我慢できる程度です。
使用する針は非常に細く、注射自体も短時間で終わります。痛みに敏感な方には、表面麻酔を使用することも可能ですので、心配な場合は事前に相談してください。
歯科医師が注射などを行っても問題ないのですか?
A.歯科医療の領域には、歯だけでなく歯茎、舌、頬、口腔粘膜、歯槽骨、唇、顎関節、唾液腺なども含まれます。
お口周りの筋肉や脂肪組織に対する処置は、歯科医師の専門領域として認められています。お口周りの解剖学的構造を熟知している歯科医師だからこそ、安全で効果的な施術が可能です。
施術後すぐに日常生活に戻れますか?
A.ボツリヌストキシン注射も脂肪溶解注射も、施術後すぐに帰宅できます。
激しい運動や長時間の入浴は当日は避けた方が良いですが、通常の日常生活には支障ありません。メイクも数時間後から可能です。ただし、施術部位を強くこすったり押したりすることは避けてください。
効果はどのくらい持続しますか?
A.ボツリヌストキシン注射の効果は一般的に3〜6ヶ月程度持続します。
脂肪溶解注射は、破壊された脂肪細胞は再生しないため、適切な体重管理を行えば長期間効果が持続します。定期的なメンテナンスについては、施術を受ける歯科医院で相談すると良いでしょう。
悩みに対してどんな治療法が適応するか分かりません
A.まずは、カウンセリングでお悩みや気になる点を詳しくお伺いします。
「こうなりたい」という希望を遠慮なくお話しください。お口周りの状態を診察した上で、最適な治療法をいくつか提案いたします。それぞれの方法のメリット・デメリット、費用、期待できる効果などを丁寧に説明しますので、納得した上で施術を選択することができます。